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包丁の研ぎ方
包丁を研ぐ前に
1. 砥石を10分間くらい水中に沈め、充分に水を含ませます。
2. 使い込んでいる砥石は荒砥石を使って平らに直しておきます。
3. 砥石が動いてしまわないよう、タオルなどを砥石の下に敷きます。
西洋包丁/両刃(全鋼)

*図/研ぎ牛刀、研ぎ角度両刃(角度は10度としてください)
表側から研ぎはじめましょう。西洋包丁は完全な両刃ではありませんので、表研ぎ8、裏研ぎ2の割合で研ぎます(砥石に対して10度くらいの角度で)。どの包丁も刃先から刃元へと研いでいき、包丁を押さえる左指を砥石の中央にずらしながら研ぎます。
菜切・中華包丁/両刃(鋼割り込み・三層式)

*図/研ぎ菜切、研ぎ角度両刃(角度は10度としてください)
菜切包丁、中華包丁、寿司切り包丁など両刃の包丁は表側、裏側とも10度くらいの角度で研ぎます。また鋼割り込み式の包丁の場合、鋼の露出が少ない方を多めに研ぐと良いでしょう。
和包丁/片刃(鋼+軟鉄・全鋼)

*図/研ぎ柳、研ぎ角度片刃
表側から研ぎはじめます。刃に均等にバリが出たら表研ぎは完了です。裏研ぎは平らな仕上げ砥石だけで仕上げます。このとき刃から峰までを当てて研ぎ、包丁を起こしてはいけません。刃先に仕上げ砥石が均等に当たれば研ぎ上がりです。
刃物の性質
切り刃の性質は鉛筆の芯と同じです。鉛筆の芯を細く削った場合、シャープな書き味で長時間使用できますが、力を加えると折れてしまいます(図A)。
刃物にとって最も理想的な形態は図Bに示すようにやや膨らみを持たせた形です。このように研ぎ方の適、不適が包丁の切れ味を大きく左右させます。
取り扱い上のご注意
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炭素鋼製品 詳しくはこちら
金属の性質上、水や食材などの不純物の付着と、それを放置することによってサビが発生します。赤サビの場合は、鋼内部まで進行していきます。
反面、手入れの行き届いた包丁に多く見られるサビは、赤サビとは違って表面が黒ずんだ色になります。これは四酸化三鉄を主成分としたサビが鋼表面を覆い、鋼内部へのサビの侵入を防いでいるためです。食材への色付きもなく、衛生上の問題もありません。 -
特殊合金鋼製品
一見、サビのような金属表面の変色は起こりません。炭素鋼とは違って、特殊合金鋼は不動態活性化を示す金属であるためです。しかし、外観上目立たなくともサビが進行している場合があり、付着した食材などの不純物・水分などが、酸素の届きにくい部分にサビを発生させます。刃先端付近は貫通してしまうほどの勢いでサビが進行していきますので、使用後は洗剤でよく洗って乾いたタオルなどで水分をよく拭き取り、乾燥した場所に保管するようにしましょう。
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和包丁の性質と取り扱い上の注意点
杉本刃物製の和包丁は、伝統的な水焼き入れのため、西洋包丁に比べ硬い焼き入れとなっています。従って切り刃を薄く伸ばしすぎて研いでしまうと、刃の強度が保持できず刃こぼれなどの原因となります。また、和包丁の裏研ぎは平らな仕上げ砥石を使い、減らしすぎないようにしましょう。本焼きを省く2枚打ち本霞製品は、性質の異なる材料を鍛接しているため、時間経過とともに曲がりが生じることがありますが、当社で修正可能です。片刃の包丁は裏が刃ですから、特に裏をサビさせないようにしましょう。
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西洋包丁
杉本刃物では、炭素鋼並びに特殊合金鋼の西洋包丁を製造しています。炭素鋼製品の特徴は、切れ味が良く研ぎやすい反面、サビやすいことです。炭素鋼製品は一部の食材に対し変色を起こす場合がありますが、特殊合金鋼製品では起こりません。西洋包丁は一般的に万能包丁と呼ばれており、幅広くご使用いただけます。
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中華包丁
杉本刃物では使用目的に合った製品をお求めいただけるよう、中華包丁を各種ご用意しております。用途に合ったものでないと、刃の破損、怪我などの危険を伴いますので充分にご注意ください。特に中華包丁の側面で、ニンニクや生姜などを叩かないでください。包丁が曲がる原因となります。また、この曲がった包丁を修正せずに研ぎ続けると、鋼の芯が保てず修理不能になることがあります(鋼割り込み式の場合)。